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研究紹介【アンモニア使い方編】

  • 執筆者の写真: Taichi Mitsumoto
    Taichi Mitsumoto
  • 2021年2月27日
  • 読了時間: 3分

更新日:2021年3月7日


今朝は日本酒で二日酔いでしたが、茶道のお稽古にいって身も心もスッキリしたミツモトです。


ついに、私の研究紹介をします!

私の研究を一言でいうと『アンモニアを作る』です。


アンモニア(NH3)は一度は名前を聞いたことがあるのではないかと思います。

化学の授業で匂いを嗅いだことがあるのではないでしょうか。

鼻を近づけるのではなく、手で仰ぐようにして嗅ぐと学びましたね。懐かしい!


おそらく多くの人が「刺激臭のある有害物質」のイメージしかないと思います。


いきなり私の研究内容の詳細を書いても、アンモニアの重要性がわからないと興味を持たないと思うので、まずはアンモニアがどのように使われているのか書いていきます。




① 肥料の原料


現在、アンモニアは年間1.8億トン生産されています。

驚くことに、全世界のエネルギーの数%がアンモニアを生産するために使われています。


生産されたアンモニアの8割は肥料の原料として使われます。

肥料がない昔の時代は、世界で人口が増え続けても食料の生産が追いつかず、食糧難に苦しんでいました。しかし、アンモニアが工業的に生産できるようになり、肥料が生産できるようになったことで食糧問題が解決し、世界の人口が増えていったわけです。


私達が今、生きていられるのもアンモニアのおかげ!



Q なぜアンモニアが肥料の原料になるのでしょうか。


ポイントは窒素(N)です。

アンモニアには1つの窒素原子(N)と3つの水素原子(H)が含まれています。

この窒素原子は動植物の体を形成するために必要不可欠な原子であるので、肥料の原料になるわけです。


糞尿も肥料になるという話を聞いたことがあるかもしれませんが、尿には尿素という成分が含まれており、尿素にも窒素原子が含まれています。



Q 大気中の窒素分子から肥料を作ることはできないのでしょうか。


できません。

理由は窒素分子に強固な3重結合があるためです。

この3重結合を切断しなければ肥料を作ることができません。

アンモニアを生産する際にも、どのように3重結合を切断するかがカギとなります。


日本人全員がアンモニアの恩恵を受けているということですね!




② エネルギーとなる


エネルギーと聞くと何を思い浮かべますか。

一番身近なエネルギーは電気ですよね。

電気なしの生活は、現代では考えられません。


電気を運ぶ方法は一般的に2つあります。

電池と電線です。


ただ、この2つの方法では、大量の電気を国と国を超えて運ぶことができません。

だから、海外でクリーンな方法で発電した電気を島国である日本は輸入することができないのです。


しかし、電気を運ぶ3つ目の方法があります。

それが電気をアンモニアに変換するという手法です。

アンモニアは電気と違ってそのままの状態で運ぶことができるので、大量のエネルギーを国と国を超えて運ぶことができるようになるのです。


今の日本はエネルギーを中東の化石燃料に依存していますが、アンモニアを使えば中東依存から脱却できますね!まだまだ課題はたくさんありますが、、、


下の図は研究室紹介で用いている図です。夢があります!


アンモニアからエネルギーを取り出す方法は、今、研究段階から実用段階へと移行している最中です。最近では、アンモニアを火力発電の燃料にするニュースをよく見かけますね!

↓例えば

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF046RA0U1A200C2000000/


アンモニアをエネルギーにすると良いことは、使用時に二酸化炭素を排出しないことです。

気候変動対策が求められる今の時代で、アンモニアはホットなテーマなのです!




このようにアンモニアは、今も昔もこれからも私達にとって重要な物質です。

アンモニアは臭くてなんの役に立つのかわからなかった人も、これを機に興味を持ってもらえると嬉しいです!


次は【アンモニア作り方編】でお会いしましょう!


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